養液栽培システム

養液栽培の利点

  • 潅水と施肥を直接的かつ迅速にコントロールできる
  • 培地の水分コントロールを行いやすい    
  • 肥培管理が行いやすい
  • 連作障害を回避できる
  • 養液リサイクルにより水と肥料を節約できる         
  • 環境に優しく、清潔
  • 塩類集積や排水不良など、耕作に適さない土地でも栽培できる

        

制限事項
  • 根域が狭い
  • 培地容量が制限される為、肥料分の蓄積が少ない
  • 微量要素の添加とコントロールが必要
  • 培地容量が少ないので、緩衝能力が低い
  • pHが急変する場合がある
  • EC管理が重要

 

養液栽培に利用する培地に求められる特性:
  • 高い水分保持能力と排水性の両立
  • 気相が充分に確保される事
  • 軽量で持ち運びしやすい事
  • 形状が安定している事
  • 肥料分を吸着しない事
  • 塩類の溶出が無い事 
培地の効果的な利用の為には、その物理的及び化学的特性をよく理解する事が重要です。培地の特性に応じて、最適な養液管理を行う事が、栽培を成功に導く秘訣です。
 

物理的特性

  • 気相/液相バランス
  • 水分保持率
  • 空気保持率
  • 比重
  • 容積重量
 
化学的特性
  • EC
  • pH
  • ミネラル(無機化合物)含量
  • 塩基置換容量
 
培地タイプ
養液栽培用培地は大きく無機培地と有機培地の二つに分類される:
無機培地
人工無機培地:構造が安定していて容易に分解せず、化学的に安定で、緩衝能が低く、カチオン(陽イオン)置換能力に乏しい。有機物を含まないので、微生物活性が低い。
化学的変化が早く、都度の緻密な養液管理が必要。
このグループにはロックウールを代表として、パーライト、スタイロフォーム、スポンジなどがある。
ミネラル分を主体とする天然無機培地:化学的に活性があり、養分の吸着や溶脱がある。中程度の緩衝能があるため、肥料分を含有する。
このグループには火山灰、軽石、バーミキュライトがある。
 
有機培地
無機培地に比して緩衝能が高く、カチオン置換能のある材質から成る。その為、植物に影響を与える様な肥料分の吸着と溶脱がある。
化学的変化は緩やかであり、ある程度雑な養液管理でも許容される。
このグループにはヤシ殻(ココピート)を代表として、ピートモス、コンポスト(堆肥)、その他これら有機物の混合培地がある。
 
栽培容器・栽培槽
  • バケツ
  • 成型ポリスチレンコンテナ
  • ポリプロピレン成型ベッド
  • ガター式ベッド
  • グローバッグ(フィルム包装培地)
根圏の気相/液相バランスを良好に保つ為に、養液栽培システムに利用される全ての栽培容器には、排水性が確保される必要がある。従って、栽培槽の高さと長さに見合った適当な傾斜を持たせて、排液が成される様に設置する事が重要である。
 
栽培槽に要求される特性
  • 薬剤又は蒸気消毒に耐える材質である事
  • 紫外線によって劣化しない事
  • 養液栽培用栽培床として使用する為、頻繁な潅水を行っても構造が崩れず、適当な気相/液相バランスを保っている事
  • 一般にドリッパー間隔が狭く、低吐出量の少量多潅液を行うので、ある程度の保水性を維持し、排水性が良すぎない事