リンゴの最適栽培管理法

(ベストプラクティス)
Relevant: リンゴ
栽培環境

好適気象環境

リンゴは、ほとんどの気候に順応できる果樹です。但し、北緯あるいは南緯3550°の気象環境が最も生育に適しています。

リンゴ樹の低温要求時間は1,0001,600時間(イスラエルの品種Annaなどではもっと短い)で、120180日間の無霜日数が必要です。品質を良くするには、日中暖かく、夜間冷涼で、出来る限り日射量の多い環境で栽培する事が大切です。リンゴの樹自体は-40℃の低温環境にも耐えます。花および結果果実(幼果)は、-2.2~-3.3℃の低温で障害を受けます。リンゴは他の落葉性果樹に比べて開花が遅いので、霜害を受ける事は比較的少ないです。ただし、品種によって低温感受性が強く霜に弱いものがありますし、地域によっては遅霜の降りることの多いところもあり、防霜設備の必要な場合があります。

 

好適土壌

好適pH6.5

中粒土で水はけが良い事が望ましい

 

品種

「スパータイプ」は多結果性で商業的に優れた品種です。

米国では以下の10品種が生産量の90%を占めています:エンパイアー(Empire)、ガーラ(Gala)、ローム(Rome)、レッドデリシャス(Red Delicious)、グラニィスミス(Granny Smith)、ジョナサン(Jonathan)、フジ(Fuji)、ゴールデンデリシャス(Golden Delicious)、アイダレッド(Ida Red)、マッキントッシュ(McIntosh)

 

台木

台木には以下の3系統の品種があります:

 モーリング系(Malling):矮性台木の中でも0.27mと最も樹高が低い

 モーリング・マートン系(Malling Merton):樹高1.32m

 実生(通常は特定の地域でしか利用しない):樹高610m

商業的果樹園で最も広く利用されている台木品種はM.9MM.16です。

 

苗木育成

通常、苗木の育苗圃で接木苗を育成します。低温期の休眠期間中を育成期間とします。苗木は、根の周りに土の付いていない裸の状態で植えます。

台木苗は専用の台木圃場にて育成します。

苗木の育成には、最低でも2年かかります。

 

栽植間隔

中間サイズの品種の場合:4×5m、または4×6mha当り400500

矮性品種の場合:2.5×4mha当り10002300

極矮性品種の場合:3×0.90mha当り30004000

 

潅水

冷涼で温和な気候下では一般的に250400mmの潅水要求量となります。

夏季に降雨の多い地域の場合:5mmを超える降雨がある場合は栽培を要検討

 

北半球における作物蒸散係数(Kc)

 

Kc/月

収穫日

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

6/10

0.20

0.50

0.75

0.55

0.40

0.20

0.20

8/20

0.20

0.35

0.50

0.70

0.70

0.50

0.20

9/10

0.20

0.30

0.45

0.70

0.70

0.70

0.60

9/21

0.20

0.30

0.45

0.70

0.70

0.70

0.40

 

水ストレス:生育段階上、重要な時期に水ストレスがかかると落葉が起こり、収量と収益が大きく減少します。これらがよく起こるのは、開花及び着果時期、果実肥大期、また収穫時期に近づいていく栽培終了に至る時期です。

 

不足灌漑(Deficit Irrigation; DI)-不足灌漑とは、潅水量をぎりぎりまで抑える灌漑法で、単位水あたりの収量を最大にするように潅水量を決める方法です。収量の減少とその結果として生じる経済的損害をできるだけ抑えつつ、不足灌漑を達成させるには、主として以下の6つの方法があります。:

1. 収益性の高い区画順に潅水を分配する方法で、樹の生育状態と収穫日に応じて、優先順位の低い潅水量をそう多く必要としない区画の潅水を削って、より優先順位の高い区画から潅水を行う方法。

2.  期待収量に基づいて区画の潅水を分配する方法で、収量があまり見込めない区画の潅水を少なくして、高収量が期待出来る区画には期待値に応じて優先して与える方法。

3.  肥大の劣る小果を取り、果実負担を小さくし且つ大果を増やす、いわゆる間引きを行い、潅水の無駄も無くす方法。

4.  剪定により樹冠の枝葉を整理し、蒸散を減らす事で潅水の無駄を少なくする事。リンゴやその他ナシ状果(ナシ等)樹の剪定では、後々栄養生長過多となるので強剪定は行わないことが重要。

5.  葉摘み、早生品種の夏期剪定はこれを推奨する。

6.  収量に対して水の量を割り当てるのでは無く、収量が水の割当量によって変る事を理解する。

 

点滴潅水システム

1畝に対して1本の潅水チューブを敷設

ドリッパー間隔: 0.5m

吐出量: 1.62.3/時、土質に応じて選択

潅水頻度:13日おき、土質や季節・生育段階に応じて調整

ユニラムASは地上敷設用または地中点滴潅水(SDI)用等、あらゆる状況に対応する潅水資材です。パルス養液点滴潅水を行う場合はユニラムCNL又はユニラムHCNLが必要です。

潅水量: 0.71.0mm/

 

施肥

定植前(元肥):窒素(N200300kg/ha;加里(K2O400600kg/ha

若木(14年生):窒素(N90kg/ha、リン(P30kg/ha、加里(K120kg/ha

成木:窒素(N100kg/ha、リン(P60kg/ha、加里(K180kg/ha

 

主要病害

リンゴ黒星病、ウドンコ病、炭疽病、黒腐れ病、すす病、白絹病

 

主要害虫

コドリンガ幼虫、モモハモグリガ、リンゴコブアブラムシ、ミバエ、リンゴハダニ

 

防霜

スーパーネットSRまたはLR 散水量4mm/時の使用を推奨 

散水直径4mで各リンゴ樹に1基設置

散水量は各濡れ範囲で3.5mm/時となるようにする

 

整枝・剪定

剪定は主として冬季に行う

赤色系品種は日射の透過を良くして着色を促進する為、夏季の収穫開始1ヶ月前に葉摘みを行う

密植栽培条件における整枝はスレンダースピンドル形(細型紡錘形)の主幹型整枝による

 

生育期

開花・成熟:北半球では4月~5月が開花期で、主な生育は7月で終了します。着果後3週間で果実の細胞分裂が終わり、果実は細胞の伸長に伴って肥大します。南半球でも、相応の時期に同じように生育します。高収量、高品質を得る為には、生育期間を通して養水分の吸収が良好に保たれる必要があります。

 

収穫

早生品種:開花から100日後

晩生品種:開花から180210日後

 

収量

品種、気象条件、栽植密度等によって変る

6080トン/haの収量が一般的ですが、品質や1果重の大きさを優先させる栽培方法では3040トン/ha程度の減収となる事が知られています。

 

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